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2016年12月12日

とにも嫁や孫のこ



そして早雪は、本社に帰る蒲田と広隆にくっついてそのまま会社に戻る事にした。
まるで逃げるようだが、少し時間が欲しかったのだ。
栄太に相談すると、理解してくれた。
美桜里や美波にもうまく言っておいてくれるという。
何も心配せず、東京で少し気持ちを休めておいで。そして、今後のこともじっくり考えるといいよ」
そう言って送り出してくれた栄太に感謝しながら東京に戻った早雪だった。

東京に戻り、忙しい日々がはじまる。
初校の戻しと一緒に写真を入稿するため、蒲田が撮った写真を何度も確認し、編集部内で選別した。また、他のページの校正にも加わることができ、やはり戻って来て良かったと思えたのだった。
広隆からはいくつか釣り特集のページの指摘があり、コラムを入れるため記事を書いてくれるライターを紹介してもらったりもした、田舎暮らしLIFE』は順調に完成に近づいていた。
貴彰は鮎川リゾートの開発に向けての準備や会議で忙しいらしく、北陸支社と鮎川村を行ったり来たりしている。東京に来ることも、早雪の会社に足を運ぶ事もなかった。
遠山先輩!」
年末進行が落ち着いた年の暮れ、早雪は葉月と食事の約束をしていた。
レストランに入るなり嬉しそうに立ち上がって手を振る葉月。
ごめんね、遅れて。せっかく誘ってくれたのに…」
20分近く待たせてしまったことを詫びながらコートを脱ぐと葉月は首を振って笑う。
いえ、すみません、忙しいのに…」
ううん、嬉しい。龍くんは大丈夫?」
はい!お義母様が東京に来てて、見ててくれてるんです。是非いってらっしゃいって!」
お姑さんと仲いいんだ。いいね、そういうの」
普段ほとんど会わないし、敦のことにも嫁や孫のことにもそれほど関心ないのがいいんでしょうね」
葉月は苦笑する。
敦さんは?」
復帰してからかなり忙しいみたいですね…。仕事のことはよく分からないけど…」
そう。ま、仕事復帰してくれてよかったじゃない?胸張って無職って言ってるよりよっぽど健全だもの」
ふふ、まぁ、それもそうですね」
葉月が笑いながらメニューに目を落とす。
先輩はまた鮎川村に行くんですよね?春頃ですか?」
…そうね。ちょっとまだ分からないけど…」
少し声のトーンが下がったような気がして葉月が言葉を飲み込んだ。  


Posted by estellegg at 18:09Comments(0)